第28話 可愛い!! だけど「臭せぇ〜!!」。 数日間ニオイが取れない悩みもある

獣対策のプロとして!
今日はどんな相手に遭遇するのか

前回は“不発”に終わった獣被害騒動。
もちろんそれは良いことであるのだが、
そうそう平穏な日々が長く続くとも思えない。

そう目論んでいたタカシ隊員は、
いつ緊急出動があってもいいように、
睡眠もたっぷりとり万全な体調で備えていた。

「今日も元気だ、タバコが旨い!
よし、はりきっていこう!」

と珍しく声に出し新人を鼓舞する。
が、(ちょっと古めかしい言い回しだったかな)
と内省する、おちゃめなタカシ隊員でもあった。

 

ペストバスターズのミッションはさまざまだが、
よく依頼を受けるのが「獣害被害」だ。

アライグマの依頼はトップクラスで、
それ以外には天井裏でのやんちゃ害獣・イタチも多い。
捕獲依頼があれば捕獲器を設置し、生活を脅かす獣を捕まえる。

それがミッションであり、大事な仕事であるが──
心優しいタカシ隊員は複雑な心境でもあるのだ。

はっきりいって「可愛い」。
タカシ隊員の心優しい一面も

ご依頼のあった悩める住人宅のチャイムを鳴らす。
すでに捕獲器を仕掛けているお宅だ。

ドアを開けるやいなや「捕まってるわよ」と言う住人。

早速確認に向かうと、そこには元気でやんちゃなイタチが、
小さな檻の中を忙しなく動き回っていた。

「おまえか〜、こちらのお宅で毎晩運動会をしていたのは!」

思わず小さな子どもに話しかけるような、優しい口調になる。
というのも、タカシ隊員は本音では動物が好きなのだ。

イタチが害獣でなければ可愛い生き物として尊重し、
その個体の幸せを願っていたであろう。

実際、つぶらな真っ黒な瞳は愛らしく、
獰猛さがなければ犬猫のように可愛がってもらえるはずだ。

が、実際の仕事は、その害獣を退治すること。
当然ご依頼主の側に立つことが自分の立場である。

「無事、確保できてよかったです。
これでもう安心できる日常が戻ってきますね」

そう言葉をかけたタカシ隊員に、依頼主も

「おかげさまで早い解決にいたり、
やっと安心して暮らせます。
本当にありがとうございました」

と、頭を下げられる。

こうした光景は、近年頻繁にあるということは、
動物たちが食べ物を求めて山から街にやってきているということ。
そのこと自体にも心を痛めるタカシ隊員なのであった。

一件落着後に襲ってくるのは……。
吐き気がするほどの「ニオイ」

「おまえ、もう二度と人間が暮らす街には降りてくるなよ」

檻の中にいる可愛い顔をしたイタチにそう声をかけ、
安全な山へ逃がすため山道をひた走る。

──が!!!!!

めでたしめでたし、という美談で終わらないのがこの仕事の辛さ。

「オエ、オエ〜〜〜〜〜ッ(涙目)」

ギャグ漫画さながら、嗚咽しながら運転するタカシ隊員。
臭い、臭すぎるのだ!

「おまえ、なんでそんな……
オエ、オエ〜〜〜〜〜ッ
どうしたらそんなに臭……
オエ、オエ〜〜〜〜〜ッ」

もう、まともに運転ができるニオイではないと悟ったタカシ隊員は、
一旦車を停め、シロアリ対策用の防毒マスクを顔にあてた。

「おまえの愛らしい顔があれば、
ペットにしたいランキングの上位になるはずだけどさ〜。
意識が飛びそうなほどのこのニオイ、
一緒に暮らすのは無理だぜ〜」

ペストバスターズには、そんな地味な苦労もあるのだった。

山に到着したタカシ隊員は、
捕獲器の再設置用にと用意していた唐揚げを差し出した。

「おお〜、腹が減ってたのか。
ゆっくり食べろ、まだあるぞ」

捕獲したイタチにごはんをあげ、檻の扉を開けた。

(元気でな)

 

依頼主の平穏な日々を守り、イタチの命を守ったタカシ隊員は、
満足気に車に乗り込んで帰路につくのであった。

 

「オエ、オエ〜〜〜〜〜ッ(涙目)」

 

「臭ぇ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ(涙目)」

 

敵はいつまた、やってくるかわからない。
これからも見守りは続く。

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