施設内で発生する緊急事態にスクランブル発進!知識と経験をフル回転させ、迅速に初期対応

いつも通りの日常のはずが・・・突如発生する不足の事態!
昨今の異常気象では、災害級の大雨をもたらす「線状降水帯」という現象が全国各地で多発している。命の危険にも晒されることもあれば、大規模停電や漏水といったさまざま困難に見舞われる機会も増えた。そうした予測不能の不具合も含めた緊急事態に、三洋ビル管理の「ビルエンジニアサービス」という部署──つまり、管理するビルの状態をよく知る自社の社員が初期対応にあたっている。今回はその最前線に出動している3名にお越しいただきインタビューしてみた。

ビルエンジニアサービスの出席者
佐々木秀作・・・・・入社歴15年目
髙山宗明・・・・・・入社歴1年
岡崎由希・・・・・・入社歴半年(復職しトータル3年)

工具箱

まずは髙山さんに訊く!
「どんな緊急事態の対応が多い?」

── 三洋ビル管理に入社してまだ1年ということですが、前職はどんなお仕事をされていたんですか?

髙山 以前は建築系の施工管理をしていました

── ということは、設備に関する知識はプロ! それは心強い方が入社されました

髙山 あはは(笑) 電気回路などの知識はあると思いますので、私でわかることであればどんどん活かしていきたいと思っています

── 今回は「緊急対応」についてお伺いしたいのですが、入社1年の間にどんな対応が多かったですか?

髙山 やはり多いのは、漏電と漏水ですね。漏電が疑われる場合は、「絶縁抵抗器」という機械を使うことで判明できます

漏電チェック

── 「絶縁抵抗器」という言葉を生まれて始めて聞きました(笑)。これはどんなもので、どうやって測定して、どうなると「漏電」なのでしょう

髙山 まずどんなものかという問いに対してですが、デジタルで数値が表示される機械もあれば、アナログ時計のように針の位置で数字を表示するものなどがあります。

どうやって測定するかという使い方ですが、簡単にいうと機械から2本のコードが出ていて、一方はアースへ、一方をブレーカーのケーブルに接続して測ります。

どうなると漏電・・・ショートしているかという判定ですが、プラスマイナス0になっているものです。

── う〜〜ん、頭がショートしそうなぐらい難しいので、検索してみます。
「絶縁抵抗を測定しているためブレーカーはオフの状態にし、電球がスイッチがオンの状態となっている。 この状態で線間絶縁抵抗を測定した際、絶縁抵抗計から出力される直流電圧が電球にかかることになり、直流電流が流れる。 絶縁抵抗計は電球の負荷抵抗を測定していることになる」

ますますわからなくなりましたが(笑)、要は①ブレーカーはオフ ②電球はオン、この状態で電球が抵抗を示せば漏電していない、抵抗しない=0を示せば漏電、ということでいいでしょうか?

髙山 そんな感じです。付け加えるのであれば、器具もしくは電流を流しているケーブルのどちらかに原因があることが分かります。そこから業者に依頼をかけて修理をお願いする流れになります。

── また、漏水も多いということでしたが、昨今のゲリラ豪雨であったり、線状降水帯の発生などが影響していることもあるのでしょうか

髙山 少なくとも影響はあると言えると思います。大雨による漏水もありますが、先程の漏電の話に戻すと、激しい降雨により街路灯がショートしてしまうケースなども目立ちます

── なるほど! 熱帯雨林気候の「スコール」に似た集中豪雨を日本では想定していなかったということでしょうか?

髙山 そう感じます。ゲリラ豪雨があった日は何かしらのトラブルが発生し、私たちも緊急対応に駆けつけていることからも、昔の設計ではもはや対応できない設備が多いのだと思います。

 

紅一点・岡崎さんに訊く!
「女性だからこそできる仕事とは?」

── この「緊急対応」をする部署・ビルエンジニアサービスでは、唯一の女性社員だそうですね! やはり危険が伴うため、男性が多いということでしょうか?

岡崎 どうなんでしょう〜、危険が伴うということもないんですが、やはり現場仕事が多いので、女性に人気がないからなのかなあ(笑)

── というと、岡崎さんがこの部署に就いた経緯はなんでなのでしょう

岡崎 実はわたし、この会社に2度就職しているんです。最初の入社では受付業務でした

── あ! だから「入社歴がトータル3年」ということなんですね!

岡崎 そうです。受付業務から始めて、その後「第二種電気工事士」という資格を取ったことがきっかけで今の部署に就きました

── 「第二種電気工事士」という資格があるんですね! 受付から設備管理へキャリアを変えることは珍しいのではないですか?

岡崎 そうですね(笑)。もっとプロフェッショナルな仕事がしたくて、第一種電気工事士やその他に消防関連の資格も取りました。ひと言で建物の設備といっても、電気に関する知識や、防災に関する専門的な知識が必要になります。その知識無くして何も対応できないといってもいいですね。

── 素晴らしいですね! その知識を以て、女性ならではの業務ができることってありますか?

岡崎 女性だから特別なことができるというよりは、「女性だから入れる場所」に重宝されていると思います! たとえば「女子トイレ」や「女性用の温浴施設」ですね

── たしかに! スーパー銭湯などを利用している時、「電球を交換します」とか「水道の水漏れを直します」と、男性スタッフがいきなり入ってきたら「ギャーーッ!」って思いますもんね(笑)。ありがたい仕事をしてくださっているのはわかるんですけど、やっぱり「嫌だなあ」の気持ちは芽生えます

岡崎 そうですよね、私もそうです! 先ほどもいった通り、専門知識+肉体労働というところで、女性がなかなか従事しない仕事なんですが、この会社では私がいることで守備範囲が広がったことは嬉しいですね!

── 岡崎さんのような志を持った女性が、もっと増えてくれたら、私たちも安心してトイレや温浴施設を利用できるようになりますね!

 

熟練スタッフ・佐々木さんに訊く!
「特殊な施設での緊急対応は?」

── 先程から、おふたりには「緊急対応」をメインに話を訊いておりましたが、佐々木さんたちの部署「ビルエンジニアサービス」は、緊急対応がメイン業務ではないですもんね(笑)

佐々木 そうですね(笑)! 主に管理しているビルの窓口業務となります。ビルを管理している中で、照明や空調、エレベーターなど設備を円滑に行えるよう、劣化しているものは修繕の提案をしたりしています

── その業務をしつつ、何かトラブルが発生したときは駆けつけるのですね?

佐々木 トラブルは大なり小なりほぼ毎日発生していますので、すぐに駆けつけられるスタッフが対応にあたっています。髙山も話していたように、設備の劣化などだけではなく、昨今のゲリラ豪雨のあとは必ずと言っていいほどトラブルが起こっていますね。

── この部署の歴が長い佐々木さんは、ビルのトラブルだけでなく、さまざまな緊急対応を経験されていらっしゃいますので、いくつかエピソードをお訊かせいただけませんか?

佐々木 そうですね・・・総合病院に常駐勤務していた時のことです。「◯時から手術があるのに、エアコンが動かない! なんとかしてほしい」という対応もしましたし、診察室の天井からエアコンの水が滝のように降ってくるという事態もありました。

エアコンといっても、総合病院内に1500台ぐらい設置されていますので、予測できないトラブルは時々起こってしまうのです。

手術室のエアコンが動かないという問題では、バックアップもあるうちの1台が動かなくなったということなので滞りなく手術が実施できましたが、診察室の天井から勢いよく落ちてくる水の対応では、100リッターぐらいの水量でしたので緊迫した時間がありました。

原因は結露水が配管の先に詰まってしまったことによるものでしたが、まずは一次対応として配管に詰まったヘドロなどの除去を行い、床に溢れている水の除去と拭き上げなどの対応に追われました

エアコンの基板交換

── それだけの量の水が室内に降ってくる事態を収束させるなんて、慌ててしまいますよね。緊急対応ではそうしたプレッシャーとの戦いでもあるのですよね?

佐々木 そうですね、プレッシャーという意味では、こんなこともありました。

コンサートホールに常駐勤務している時、主催者の控室から煙が出ているという発報があり、駆けつけてみるとエアコンの基盤が燃えていました。すぐさま消火とともに、改善措置をとりました。

迅速に修復させ、安全を確認しなければ、コンサートは中止になってしまいます。中止になれば、何万人というファンの方に影響が出る上、主催者側も何億という損害が発生します。

「設備の不具合でそんな事態にはさせない」、その一心で必死に復旧に取り組んだことを思い出しました。

── そういうこともあるんですね・・・。本当に大変な役目を担っていると改めて思いました。しかしそれも、「日々管理している施設やビル」だからこそ、迅速な対応ができるのだと思います。そこが三洋ビル管理の強みといえる最大のサービスですよね!

佐々木 そうであってほしいと思います(笑)

── 「自分の身体を自分以上に知ってくれているホームドクター」という感じですね!

また折を見て緊急対応のエピソードを聞かせていただけたらと思います!

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