業界に先駆け、導入をスタート!ビルクリーニング業界の人材不足問題の解決策「特定技能」とは?

日本で働く外国人が必要とする在留資格の一つに「特定技能」があります。国で定められた特定産業分野の人手不足に対応するために、一定の専門性・技能を有する外国人を最長5年間受け入れることを許可するもので、ビルクリーニングも特定技能による受け入れが可能な分野の一つとされています。三洋ビル管理では2022年4月より、業界に先駆けてフィリピンから特定技能による外国人労働者の受け入れを開始。現在、約15人の特定技能スタッフが、即戦力としてビルクリーニングの現場で働いています。ここでは特定技能外国人を受入れるまでの取り組みや、お客様からの感想、今後の方向性などをご紹介します。

特定技能制度制定直後から準備を開始

特定技能制度は、2018年に国会で可決・成立した「改正出入国管理法」により創設され、2019年4月からスタートしました。三洋ビル管理では、制度の創設直後から手続きの準備を開始。ビルクリーニング業界でいち早く、海外からの特定技能外国人を受け入れる体制づくりに着手しました。

「今のビルクリーニング業界の現場を支えているのは高齢のスタッフです。もちろん優秀な人は多いのですが、体力面や作業中のケガなどの心配はどうしてもあります。そこで若くて体力があり、長期間安定して働くことができる外国人の人材が注目されているのです」と、特定技能に関する責任者の八江さんは語ります。

しかし新型コロナウイルス感染症の流行にともない、海外との人材の交流が閉ざされると特定技能の入国に関する手続きもストップ。その間でも、必要とされる手続きは進行させてコロナ禍の終息を待ちました。

「フィリピンから人材を迎え入れる場合、POLO(駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所)という大使館内の機関で雇用条件等の承認を受ける必要があります。英文で書類を作成し、細かな確認作業を経て、再度修正というやりとりを2、3ヶ月…。海外との商習慣の違いもあり、お互いに納得できる雇用条件を定めるまでには、多大な時間と労力を要しました」と振り返る八江さん。しかしこのときに交渉、スケジュールやリスク管理など、すべて自社で行なったことが、これから特定技能の外国人採用を展開していくうえでの貴重なノウハウになったと言います。

陽気で人懐こいフィリピン人スタッフが活躍

特定技能のスタートにフィリピンからの人材を選択したのは、いくつかの理由がありました。一つは英語によるコミュニケーションのしやすさ。それにも増して大きかったのは、陽気で人懐こいフィリピン人の性格でした。

「お客様の中には言葉の違いから、特定技能外国人の現場配属を躊躇する方もいらっしゃいます。しかしいざフィリピンからのスタッフが現場で働くと、元気の良い挨拶や明るい表情での応対、スピーディーで手際良い仕事ぶりが好評で、喜んでもらえることが数多くありました。また社内的にも、職場の雰囲気が明るくなった、前向きなコミュニケーションが増えたなど、陽気で人懐こい性格はとても良い効果を生み出しています」と八江さんは評します。

「外国人200人体制」を目指す

ビルクリーニング業界でいち早く海外からの人材に注目し、外国人の採用を強化する三洋ビル管理。今後は、フィリピン以外の国からの人材受け入れも強化し、現状の4倍の人数となる「外国人200人体制」を実現したいと計画しています。

「職場のダイバーシティ推進という会社のテーマに沿って特定技能を含めた就労可能な在留資格の制度を活用し、もっと多くの国から人材を集めたいと考えています。異なる国のスタッフ同士の関係性や生活習慣の違いなどにより、国が増えれば想定外の課題も増えるでしょう。それでもこれまで培った経験やノウハウを強みに、積極的に採用を強化し、お客様のご要望に応えていきます。また受け入れ手続きやサポートを担当する日本人スタッフの負担が増えてしまわないよう、マニュアル化・効率化も推進していこうと思います」と八江さん。

すでに外国人労働者が浸透している介護業界やコンビニ業界の影響から、特定技能に対する社会のニーズは高まるはず。三洋ビル管理が質の高いサービスを提供する外国人スタッフを採用し、育て、活躍の場を広げることで、ビルクリーニング業界全体のダイバーシティ推進にも貢献していきたいと考えています。

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