ビル管理業界の人手不足の解消には、“すきまバイト”が好マッチングだった!

どこもかしこも人手不足で四苦八苦している時代

まさしくタイトルの通り、皆さんの職場ではいかがですか? 「うちは人が溢れちゃってて断ってるぐらいだよ!」なんて言う方がいらっしゃったら羨ましい限りです。

飲食店やコンビニエンスストアなどでは万年バイト不足だと聞きますし、ドライバーや配達員、医師や看護師に至る幅広い分野で人手不足が深刻な問題になっていることは、周知の事実だと思います。

そんな中、この時代ならではのアイデアで人手不足を埋めるサービスとして“すきまバイト”をはじめとする、スポット労働が人気となってきています。

とはいえ、ビル管理業においてスポット的なバイトを採用することは難しいのではないかと足踏みしていた時期もありました。しかしこれが意外や意外、新しいサービスを取り入れたことによるメリットを実感することになったのです。

 

2024年3月より、初めて「タイミー」を導入したところ……

先述した通り、ビル管理業界でスポット的に入ってくれるワーカーさんは、“難しい”と考えていました。それは、仕事内容が専門性を必要とする要素に加え、オフィスビルをはじめセキュリティ面が万が一があってはいけないからです。

しかし、お願いできる仕事内容を切り出すことで、外部の手を借りることが可能なのではないかと検討した結果、以下4つの業務にて「タイミー」を利用して募集をかけることにしたのです。

・ホテルのベットシーツ回収
・大規模なイベント会場での掃き・拭き清掃
・マンション共用部の掃き・拭き掃除(欠員時)
・クーラーのフィルター洗浄

 

採用担当者は、当初、募集をかけたところでそうそうエントリーしてくれないだろうと考えていたようです。なぜなら、「飲食店でのお皿洗い」や「コンビニエンスストアでの品出し」などのように、仕事内容がイメージしやすいものではないからです。

ところが、初・タイミーでの募集をかけたところ、ものの数分であっという間に応募が殺到。すぐさま募集日時が埋まり、あまりの反響に驚いたといいます。

「まさかこんなにエントリーしていただけるとは思っていませんでしたので、嬉しい誤算でした! もっと早く導入を決めればよかったなとは思いました」

とは、採用担当者。今の時代ならではの働き方に、こうした合理的な手法が企業もワーカーも意欲的だということがわかります。

満足のいく仕事ぶりに、継続してスポット・ワーカーを採用

自社で採用する人材なら、短期でも中長期であっても仕事内容を「教育」しながら、「育成」していくことが常であるのに対し、スポット・ワーカーの皆さんは、“仕事と仕事のすきま時間”などで入ってくれることも多いため、時間をかけた仕事内容の説明をしている暇がありません。

よって、“ひと言”で説明してすぐに理解できる仕事内容が適していると思われます。そこで、「ホテルのベットシーツ回収」という単純作業で募集をかけました。

この仕事内容は、ホテル内全室のベッドにかけられているシーツをはがし、回収しやすいようまとめるというもの。なにもテクニックが必要なベッドメイキングまでをする必要はなく、どなたでも簡単に軽快に作業にあたっていただけるものです。

しかしこの単純作業の募集に対し「実は私、ホテルで働いていたことがあるのでベッドメイキングもできます」といった、知識と経験のある方の応募も多かったということで、これまた採用担当者を驚かせたようです。

「ベッドメイキングまでできる方ですので、シーツ剥がしなどはお手の物。むしろお願いしていた時間よりだいぶ早く作業が終了してしまったりしました。そうした方は、『時間が余ったので他の作業も手伝います!』と申し出てくれたり、『早く終わったらその分ほかのことができるので、ここで帰ります』などさまざまで、本当にお互いにとっていいことづくめだと実感しています」

と採用担当者は喜びを口にしていました。

また、大規模なイベント会場では、客先の椅子を一つひとつ拭く作業や、床のホコリを履く清掃をスポット・ワーカーさんにお願いしたところ、皆さん短期集中で一生懸命に業務に参加してくれたことに感動したと、現場担当者からも喜びの声が上がっていると言います。

作業の分担により、社員の過重労働が大幅に軽減

また、こんなエピソードもあります。

中規模のビル一棟分のエアコン──つまり1フロアに10台あるとしたら、その階数分であり、仮に10階建てだとしたら100台のエアコンということになります。

この台数を、例えばひとりで担当するとしたら、①エアコンからフィルターを取り外す → ②取り出したフィルターを専用ブラシで洗う → ③洗ったフィルターをエアコンに戻す という工程が必要となります。

この工程で、②フィルターを洗う だったらスポット・ワーカーさんにお願いできるのではないかと仕事の切り出しをしました。エアコンという高額な機械そのものに触れることは、知識や経験がないだけに破損などの危険性も出てくるからです。

この仕事内容も見事にハマり、知識のある社員がどんどん取り外してスポット・ワーカーさんの元に届ける → スポット・ワーカーさんは洗い専属でどんどん作業する → 取り外しが完了する頃には半分近く洗浄が終了しているため、今度はどんどん取り付けに戻る。

これにより、肉体的作業負担の軽減もさることながら、大幅な時間短縮へとつながったようです。同時に、社員たちが他の専門的な業務に割ける時間も増え、より一層メンテナンス業務等の質の向上につながりそうだとの見込みもあるようです。

「良いと思うこと」に積極的に取り入れていく姿勢が、このようなベストマッチングを生んだ事例だといえます。

今後は管理しているビル内の清掃業務のサポートにも、スポット・ワーカーにお願いできるものかどうか、セキュリティ面を中心に検討していくということで、ますます合理的かつ質の高い管理をめざしていくという点に期待したいところです。

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