目次アルバイトから執行役員にまでなった新戸武文「そもそもカフェがやりたかったわけではない」、その背景を訊く1号店「COMFORT Stand」オープンに向けて━━さあ〜どうする!?「カフェのオペレーションは社員もできるように」、その姿勢に脱帽 アルバイトから執行役員にまでなった新戸武文 三洋ビル管理は、ご存知の通りビル管理業が経営母体であり、清掃業務などの延長線上に派生する形で、リネン工場に着手するなど事業を拡大してきた会社である。 そこへきて「なぜカフェ運営を?」と疑問に思うのは当然のこと。その「なぜ」を解消するべく、カフェの話の立ち上がりから準備期間を経て、開店から4年半経った現在に至るまでを担当してきた執行役員・新戸武文さんに直接話を聞くことにした。 ちなみにこの新戸さんという人物は、三洋ビル管理で清掃アルバイトをしていたことがきっかけで、2年後に正社員として入社したという経緯を持つ、相当な「三洋ビル管理♡愛」の強い熱血タイプ。4年前には執行役員に就任するなど、三洋ビル管理を多角的に支えてきた人でもある。 そんな新戸さんの、熱のこもったインタビューで語られたこととは━━? 「そもそもカフェがやりたかったわけではない」、その背景を訊く ひょんなことから立ち上がった「カフェ経営」の話。 時代の流れによるものなのか、はたまた事業の先行きを見通し異業種に着手してのことなのか、実際のところを執行役員・新戸さんに語ってもらった。 ━━ カフェ経営の話が出てきたのは、どういう経緯だったんですか? 新戸 はい、まず私が勤務しているのは三洋ビル管理の東京本部になります。なので、東京での話になりますし、実際にカフェ1号店をオープンさせたのも汐留(東京都港区東新橋)となります。 実はですね、この話が浮上したのは私どものメインクライアントである、大手デベロッパー様からなんです。 ━━ デベロッパーから「カフェをやらないか」と? それは珍しい話ですね! 大手カフェチェーンなどをテナントで誘致しそうですが。 新戸 おっしゃる通りで、そのクライアント様も最初は大手カフェチェーンなどに話を持って行ったそうなんです。しかし店舗面積が小さすぎるため、合意には至らなかったと伺いました。 というのも、そのデベロッパー様が展開することになったビルというのが、「コンパクトシリーズ」なんです。その会社様はこれまで大規模なビルばかりを開発されてきましたが、「ビル(オフィス空間)でスタートアップ企業を応援できないか」と考えた時に、コンパクトオフィスを造ることで、まだ資産や売上の小さな企業を応援することを考えたそうです。 ━━ 「コンパクトオフィス」という計画だからこそ、店舗面積も小さくなってしまうのですね。 新戸 そういうことです。なので、お付き合いのあった私どもに「三洋さんて、何でもやる会社だよね(笑) カフェにトライしてみない?」と。 最初はさすがに戸惑いましたよ! 二つ返事で飛び付けるような内容ではありませんのでね(笑) しかも正直なところ、私はコーヒーの淹れ方どころか、砂糖とミルクをドバドバ入れて飲むほど、コーヒーの味にこだわったことがないんですもん(笑) でもですね、クライアント様のその話の続きとして「コンセプト」を聞かせてもらった時に「うちの会社ならできるかもな」と思えたんです。 ━━ どんなコンセプトだったのか、ワクワクします! 新戸 まずは先ほどお話した通り「スタートアップ企業を応援したい」というもの。コンパクトオフィスを経て、いずれ自分たちが兼ねてより展開してきた大企業向けの大きなビルに入れるぐらい成長して欲しいという願いが込められているといいます。 さらに、そうした“育み”の精神から「地域の輪を広げ、街そのものをつなげたい」という想いもあると聞いています。 誰かを応援したり、地域の輪をつなげたり……。この考え方はうちの会社に非常に近いですし、一から立ち上げるのであれば、それに寄り添ったコンセプトが計画できるなと考えました。 ━━ たしかに、大手カフェチェーン店ではすでに経営コンセプトが出来上がっていることでしょうから、カフェを経営していない三洋さんであれば一緒に創り上げるという、小回りもききますよね。 新戸 まさしく! とはいえ、どうやって会社にこの企画を通そうかとなりますが、これも結果的に“できた話”になるのですが、うちの会長には「喫茶店を経営したかった」という夢があったそうなんですよ。その想いを、息子である現・社長が汲み取ったかどうかはわかりませんが、話が通るのはスムーズでしたね。 ━━ 「なるべくしてなった」というぐらい、筋書きのあるドラマを見ているような思いです(笑) うまくいく時って、いろんな追い風が吹くものかもしれませんね。 新戸 そうですね! しかも、うちの会社はビル管理の会社ですので、「ビルの資産価値を上げる」ということは目的の一つでもあります。カフェがあることで、弊社が管理するビルの資産価値向上につながるのであれば、さらに意味のあることかなと思えたんですよ。 1号店「COMFORT Stand」オープンに向けて━━さあ〜どうする!? ビルの資産価値を上げながら、さらに地域の人と人とを結び、また起業したばかりの会社の支援につながるハブ空間。 三洋ビル管理がトライしたカフェ経営には、さまざまなメリットと想いを込めてスタートしたことがわかる。 ━━ ところで新戸さんは、カフェ経営は専門外だと思いますが、オープンには相当苦労されたんではないですか? 新戸 かなり勉強しましたね(笑) 自分自身、コーヒーのことに関して何も知らないぐらいの状態ですから、産地や品種や……そうした知識を一から学びました。もちろん、コンサルタントの方にも入っていただいてアドバイスをいただきましたよ! ━━ そのコンサルタントの方は、カフェを多く手掛けていらっしゃるのですね? 新戸 はい。そしてさらに、その方から都内の一等地を中心にチェーン展開しているオシャレなカフェを手掛ける設計士さんをご紹介いただき、設計コンセプトから携わっていただきました。 その際、うちの会社としては、ビル管理とカフェ経営を切り離して考えるつもりはなく、あくまでもビル管理の一環としてカフェがあるという考え方で実施したい旨を伝えたんですね。それを理解した上で「三洋ビル管理らしさって何だろう。三洋ビル管理がやるカフェってどんなだろう」ということを丁寧に組み上げていただいたと思います。 その上で、コンセプトに始まりメニューに至るまで、ハイセンスな物を手掛けてこられたチームで形を作ってもらいました。 ━━ 「ビル管理のプロ」という視点で展開するカフェって、唯一無二なんじゃないでしょうか! どんなカフェになったのか非常に気になります! 新戸 ありがとうございます(笑) そうですね、人と人であったり、地域とのつながりであったり、誰かの成長を応援し見守る空間にしたいという想いで始めましたので、ゆったりと穏やかな空気が流れる空間にしたいと考えていましたね。 ━━ なるほど。語らいの場であり、起業したばかりの皆さんが打合せや商談に使ってくれるかもしれませんものね。 新戸 まさしくそうなんですよ! スタートアップ起業さんがうちのコーヒーを飲みながら商談したり、あれこれ構想を巡らせたりしながら、やがて羽ばたいていき、大きなオフィスを構えた時、「起業したばかりの時、あそこでコーヒーを飲んで頑張ったよね」とか「よく夢を語ってたよな」なんて、いつか思い出してくれる場所になれたら最高だなと! ━━ 何とも素晴らしいお話です! 絶対そんな日が来るのだろうと思います! しかも、ここに集う人同士が仲良くなり、いつしか協働してビジネスにつながった……なんて話も出てきそうです。 新戸 そうなったら最高ですよね〜! そこまではあるのかないのかはわかりませんが、実際、うちのカフェには大手企業の社長様や役職のある方などもお見えになるので、スタートアップ起業さんとつながるチャンスもあるかもしれないですよね。 「いざ会いに行く!」となったら畏まってしまうところを、カフェでコーヒー飲んでいる仲間、みたいな出会い方ならフランクに接することができるとかね。 「カフェのオペレーションは社員もできるように」、その姿勢に脱帽 カフェ経営にトライすることとなり、コンセプトや空間設計が確立され、満を持してオープンの運びとなった「COMFORT Stand」。 晴れて2019年10月に1号店を汐留にオープンさせた。 ━━ プロの方々の手により素晴らしい空間が完成しましたが、大変になってくるのは日々の運営ですよね。バイトスタッフの確保にご苦労などはありませんでしたか? 新戸 実はそこは早い段階で悩みの種になりました。運営には、大手カフェチェーンにいた男性スタッフで、荒木という者がリーダーとなってオープン時からチームをまとめてくれたり、お客様へのスムーズで高品質なものを提供してくれたりなどをしています。 でも、アルバイトさんは学生から就職をするタイミングなどで辞めてしまうことも多々あり、その都度人手不足に陥るんですよ。 とはいえ「人手不足なのでお店を閉めます」ということだけはしたくないじゃないですか。これをどうするか、という問題に直面して本当に頭を悩ませることがあるのは正直なところです。 ━━ その「答え」は見つかったのでしょうか? 新戸 まだ「答え」とまではいきませんが、我々社員が店舗運営ができるようになること、これが理想的なんだろうと思っています。 ━━ え!? 社員さんたちがお店に立つということですか? 新戸 はい、人員不足の場合は、東京本部のメンバーなら誰でもお店を切り盛りできるような状態にする。そうでなければ、人手が足りないからお店を閉めることになってしまいます。それって、本来のビル管理業に置き換えたら「人手が足りないので管理契約を解約させてください」というのと同じことなんです。 ビル管理もカフェ業務も、三洋ビル管理の大事な仕事なんだということを、社員にはしっかり理解してもらうように日頃より話しているんですよ! ━━ なんと! それにはお見事な社内プレゼンテーションがあったのではないですか?(笑) 社員一丸となって取り組むことができるようになったら、そんな強いことはありませんし、それこそ他社が真似のできないほど盤石な体制が確立されますね。 新戸 そうなることを目指したいと思います! カフェというのは一つの表現方法であり、最終的な私たちのミッションは、ビルの資産価値の維持と向上ですから「その一環であれば一生懸命やります!」と思ってくれる人が多い会社だと思うんですよね。 ━━ さすが三洋ビル管理さんです。これまでも人を大事にしてこられた三洋ビル管理さんですが、そうしたベースとなる人間関係や社内風潮の良さによるものだろうと思います。 だとすると、今後の展開案として、事業所とカフェを一体化することで「今日バイトさんが突発でお休みになった!」なんていう日も、事業所にいる社員がお店に立つことがスムーズになる、なんてこともあり得ますよね! 新戸 まさしくそれも私も考えていることなんですよ〜(笑) ただ、私の頭の中で考えていたことであって、社としてそこへ向けて舵をきっているわけではありませんので、今は何とも申し上げられませんが、そうなることも合理的かつ安定的な提供につながる一つになりますよね! ━━ この「カフェ」という空間を通じて、次なる展開がどんどんイメージできるということは、非常に可能性を秘めたコンテンツだということがわかりました。 新戸さんには随分お時間を割いてお話いただきましたけど、まだまだ聞きたいこともありますし、今後の状況も追っていきたいと思っておりますので、折を見てまたお話をお聞かせください! 新戸 もちろんです! ぜひまたお話させいただけたらと思います!
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